サケと「浅井っ子」のふるさと物語 池田まき子著
富山県射水市大門町(旧射水郡大門町)にあった大門町立浅井小学校が舞台の児童書。
あったと言うのも、2005年の市町村合併により、射水市となり、
同地区にある小学校3校を生徒数の減少などや「大人の事情」により、
一つの学校に統合させ、133年の歴史を誇り、
昭和32年に立てられた数少ない木造校舎は惜しまれながらも、2006年3月25日閉校。
浅井の語源は、「浅く掘っても水が出る」という意味で、
非常に豊かな水源を持つ地域なのである。
そんな浅井小学校の近くには「庄川」という川が流れていて、
毎年2、3年生が担当して鮭の稚魚を育て、生態について学び、
時期が来たら庄川に放流するという取り組みがなされています。
富山県における鮭の回帰率は、平均約0.3%程度です。
子供たちは300匹の稚魚を育てています。
この中で4年後に戻ってくる可能性のある個体は1匹いるかいないか。
ちなみに北海道においての回帰率は約5%。この差には色んな要因があると思いますが、
放流数の違い(北海道は約10億尾、富山県は約2千5百~3千万尾)や水温、
本州に入る前に漁獲されるなどが考えられます。
子供たちは300匹放流したところで、1匹も帰ってこないかもしれない。
放流することに意味はあるのか。と、小学校低学年でえらく複雑な問題を抱えます。
そんな問題を先生と一緒に考え、たくましく成長する子供たち。
僕が最近真剣に考えるようになった「食物連鎖」を、
子供たちは鮭を育てることで学んでいる。
この話は、第16回FNSドキュメンタリー大賞にノミネートされていた、
「サケのかおなし」という浅井小学校の放流から回帰までを4年間密着した番組が原作で、
その事をインターネットで知った著者が、是非一冊の本にまとめたいと言ったのがきっかけだったようです。
本を読み進めながら、子供たちと一緒に鮭の生態についても学んでいるような、良い本です。
この本の主人公たちは、現在多分高校生くらいなのかな。
めちゃくちゃ良い子に育ってんだろうと、容易に察しがつく。
烏帽子田佳穂さん、田辺歩くん。いつか会いに行きます。
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- 2010/12/06(月) 01:13:23|
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朝から大掃除。最近、毎日掃除し始めた。
午後、2時間で新作手ぬぐいNo.2仕上げる。
時間かければ良いって問題じゃない。
図書館で借りた本、
夢枕獏「愚か者の杖」読了。
文章少なく写真多めなので、久しぶりに一気に読み上げた。
夢枕獏といえば、僕が上京したばかりのとき、友人の家に居候させてもらい、
暇で暇で仕様がなかった時、6畳風呂無しトイレ共同のその部屋に
唯一、豊富にあった本の中に「神々の山嶺」という本を見つけ、
(ただただ分厚く、上下巻合わせて1000ページ位あった為)
それで初めて「小説」というものを読み、
「本」という物にどっぷり浸り始めた、僕にとって記念すべき一冊を書いた著者である。
そんなバクさん、釣りをやられているらしく、
この本の題名「愚か者の杖」とは「竿」の事であり、
中身をパラパラっと覗くと、デカデカのキングサーモン、
日本ではお目にかかれなそうなデカデカの虹鱒がそこに!
違う本を借りに来たのに、一緒に借りる事に。
「五大陸釣魚紀行」と銘打たれ、
マレーシア 海の獅子「セイルフィッシュ(バショウカジキ)」「スズキ目マカジキ科」、
アラスカ 川の怪物「キングサーモン(マスノスケ)」「サケ目サケ科」、
オーストラリア 汽水域の猛魚「バラマンディ」「スズキ目アカメ科」、
パラオ 珊瑚礁の魚王「ジャイアント・トレバリー(ロウニンアジ)」「スズキ目アジ科」、
コスタリカ 絶海の天魚「ターポン」「カライワシ目イセゴイ科」、
南アフリカ サバンナの獣魚「タイガーフィッシュ」「カラシン目」
という、巨大だったり、獰猛だったりする魚たちを釣ってはバラすという内容。
小説家ではない「バクさん」の人柄がにじみ出た、ある意味、人生指南書のような。
もう眠くて詳しくは省略するが、久しぶりに笑える本だった。
キングサーモンデカイ! アラスカイキタイ! オヤスミナサイzzz
「仕事を遊び、遊びを仕事にして、そのうちに何が何だか、
どっちがどっちだか分らなくなってしまうという状況の中から、
小説を書いているオレとしては、これはまことに正しい仕事のやり方である。」 夢枕獏
- 2010/11/22(月) 01:27:59|
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ルアーフィッシング 日本の鮭鱒釣り
~母なる河と魚を愛するアングラー22人の思考と戦略~釣りの世界でもまた、鮭鱒は、僕たち私たちを楽しませてくれる。
釣りなんかほとんどやった事がなかった僕は、
去年、シーバス釣りを始めたのです。
もちろん、いつかの鮭釣りのために。
鮭釣りに関しては、複雑なルールがあったり、抜け道があったりと、
中々解りづらいので、現地で確認するのが一番早そう。
下手すりゃ密漁で捕まってしまいます。。
鱒はどこでも釣れ鱒。
2001年の本なので、情報に更新があったりとかはしていると
思いますが、とても楽しい本です。
釣り方、ルアーの使い方、必須ルアー、ポイント等、
見ているだけで興奮してきます。
余談ですが、丸橋英三という「気づいた時にはすでに釣りバカ」が
出している
フィッシングノット事典という
「結び」専門書。
ありとあらゆる釣り糸の「結び」が載っていて、
究極の「結び」を実験と実践で追及するという、
すげー本です。面白すぎ。
この2冊があれば、釣れること間違いなし!?
- 2010/05/22(土) 21:00:31|
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大自然の恵み 天然魚秋サケの魅力
~不安だらけの輸入養殖サーモン~ 編著 羽田野 六男以前、「養殖は悪か」という題で、ブログを書いたことがありました。
本当に養殖は悪なのか? という疑問が湧いたため、
いつか、世界中の養殖場に自分の足で出向き、
この目で確かめよう!と、ひそかに心に誓ったのでありますが、
この本、養殖をメッタ斬り!
サケ・マスの養殖は世界各地、色々なところで行われています。
特に有名なのは「チリ」「ノルウェー」あたりでしょうか。
銀鮭、アトランティックサーモン、ニジマスなど、
スーパーや回転寿司などでよく見かけます。
日本で年間消費量が最も多い魚は「鮭」です。
3位という説が有力っぽい(多分3位なんだろう)が、1位だと僕は信じる。
難しい問題ですが、
仮に養殖サケ・マスの輸入を絶ったとしたら、
多分、日本の水産・食品業界はエライことになり、
大変な事件が起こるかもしれません。
かといって、3~5年で母川回帰する我が愛しのシロジャケちゃんを
人口孵化事業を拡大し、数を増やすってのは、
多分、市場のバランスや、
地球規模での生態系の変化だとか、
何かしらの経済的科学的根拠があっての現在の人口孵化数だと
思うので、難しいだろうし。
ちなみに、日本(北海道から日本海側石川県あたりまで)における
秋サケの人口孵化総数は約18~19億尾で、
その中で無事に回帰する個体はわずか3~4%。
話を戻しますと、この本では特に北欧の
養殖場問題について、厳しく追及しています。
ここに書くと、何と無くマズい気がしますが、
ちょっと抜粋してみると、
「何千というサケが、水中の檻でひしめき、高度に加工された飼料と
絶え間のない薬品投与によって生かされている・・・・」
とまぁ、とにかくこれはまだ序章に過ぎず、
さらにさらに羽田野さん、ヒートアップしていきます。
実際、目で見た現場は、
相当すごかったんだろうと、想像できます。
ただ、若干詰め切れていない所や、
養殖の改善点、生きる道など聞けたらよかったかな。
チリの養殖銀鮭については、一言も書いてなかった。
宮城県でも銀鮭の海面養殖を行っているので、
今度見てきます。
養殖に未来はあるのか!?
- 2010/05/20(木) 21:07:58|
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サケを求めて 佐藤水産躍進の足跡 滝本 昇 著今でこそ、佐藤水産と言えば、業界1、2を争う大鮭屋。
その現在(と言っても1989年の本ですが)までの足跡を、
初代社長佐藤三男氏とはどういう関係か分からなかったが、
著者滝本氏が執筆した書籍である。
築地にいると、戦後の日本を生き抜いた方たちと
会ったり、話したりすることがありますが、
大体、決まって「社長」です。
そして、顔つきが違い、
体つきが違い、
肝が据わって、
大体、決まって「いかつい」です。
戦後、ニシン漁で栄えた町で死ぬほど働き、
貯めたお金でたばこを売ったり、
りんごを売ったり、
みかんを売ったり、
あらゆる商売に手を染めて、
あらゆる経験、知識を得て、
押しも押されぬ大企業へと成長していく。
根っからの商売人なんだろう。
僕にはまね出来ない。
- 2010/05/13(木) 19:28:27|
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